フェミニズムで有名な社会学者・上野千鶴子さんが、「不倫」について語っている記事がとても興味深かったので紹介したいと思います。
まず、この言葉に、上野千鶴子さんの「結婚観」「セックス観」みたいなものが凝縮されていました。
「人はなぜ不倫をしないのか。私には信じられない。」
「結婚して性的な身体の自由を手放すなんて恐ろしい。」
そして、セックスについてこのようにも語っていました。
「年齢的に性欲は順調に落ちてきているけど、セックスも大好きですよ。」
上野千鶴子さんは72歳なんですよね。
東京大学名誉教授という社会的にも影響力がある存在であり、72歳という高齢であるにも関わらず、「セックスが大好き」と堂々と言えるのは、本当にかっこいいと思いましたね。
性的欲望を人前で曝け出すというのは、勇気がいることです。
普通ははしたないものとして、まるで自分には性欲なんてないかのように、隠しますよね。
それを世間によく名前を知られている72歳の女性が、堂々とセックスが大好きと言えるのは、潔いし、『誠実』であることを重要な価値観と捉えて生きているのでしょうね。
彼女はフェミニズムを多くの国民に知らしめた学者として有名ですが、フェミニズムというのは一般的に「女性が男性との平等を求める思想」だと理解されています。
でも上野千鶴子さんは、フェミニズムというのは、平等以上に『自由を求める思想』だと言っているのです。
「平等より、私は自由がほしかった。『性的な身体の自由』はとりわけ重要なものだと思っています。」
フェミニズムの旗手である上野千鶴子さんは、『性的な身体の自由』をとても重要だと考えているんですね。
平たく言えば、他の男とセックスしたいと思った時に、結婚相手や結婚という制度に縛られて自由にセックスできないなんて絶対に嫌だ。ということですね(笑)
『性的な身体の自由』っていう表現、なんかいいですよね。
このような学術的っぽい表現は、卑猥さをかなり軽減しますよね(笑)
でも、上野千鶴子さんが、『性的な身体の自由』をかなり重要視しているという事実は、非常に興味深かったです。
このようにも言っています。
「人と人との間に『契約』だの『権利』だの『所有』だのという関係が入るのが、どうしても認められない。」
この人とセックスしたいという欲求が自然感情として自らの中から沸き起こった時、『契約』だの『権利』だの『所有』だのを含む『結婚制度』という人工的に作られた枠組みによって抑制されるのが、甚だ納得いかないということなんでしょうね。
これも非常によくわかります。
ただ、僕も含め多くの人は、『結婚制度』という人工的枠組みを自然に無意識に受け入れて結婚し、性欲という強烈な自然欲求との矛盾に悩まされることになるわけですね(笑)
上野千鶴子さんは、だから結婚に魅力を感じたことは一度もないし、結婚しない、と言っているわけです。
論理が一貫しているし、そこには嘘がないし、本当に誠実な人なんだということがよくわかります。
『性的な身体の自由』、自分の意志で誰とでもセックスできる自由を優先し、誰もが常識のように受け入れている『結婚制度』の不自然さに着目し、それを断固として拒否する。
その生き様はとても魅力的だと感じました。
もし、上野千鶴子さんのこのような価値観を、結婚する前に深く理解していたなら、自分は果たしてどうしたのか?
僕は上野千鶴子さんのように誠実ではないし、やっぱり結婚するんだと思います。
昔に比べると緩和しているとはいえ、やっぱりまだまだ「結婚したほうがいい」という価値観を、たとえそれが無意識的ではあるにせよ社会全体で押し付けてくる状況だと思います。
そのような社会で上野千鶴子さんのような生き方をするのは、やっぱり強さが必要だと思うし、自分にはその強さはないと感じてしまいます。
矛盾に目をつぶり、今と同じように、出会い系サイトで不倫セックスを繰り返しているんだと思います(笑)
上野千鶴子さんはこんな話もしていました。
「婚外恋愛をしているから夫に優しくなったと言った女性がいます。罪の意識からではありません。」
「男を愛して愛されて女度が上がる。だから夫に対して優しくなれるんです。」
これも本当によく分かりますね。
僕はこのサイトで色々書いてきているように、出会い系を使って沢山の人妻さんに出会ってきましたが、その人妻さんの多くがこのように言っていましたよ。
そしてこれは女性だけじゃなく、男性の場合にも当てはまるでしょう。
「女を愛して愛されて男度が上がる。だから妻に対して優しくなれる。」
という面も間違いなくあると思います。
そして他にも上野千鶴子さんは、こんなことを言っていました。
「不思議なもので、女同士だとずけずけ相手のプライバシーには踏み込めないのだけど、相手が男性だと踏み込めるんですよね。」
「相手に踏み込んでいったとき、自分がどういう人間かもわかるわけで、そういう意味でも、私はずっと恋愛はしたほうがいいと思っています。」
これも本当によく分かるんですよね。
これも女でも男でも当てはまることだと思います。
同性には踏み込めない面があるけど、異性だと踏み込める。
それはやっぱり『セックス』というのも大きな理由だと思います。
セックスをして、より相手に深く踏み込んでいった時、『自分がどういう人間かもわかる』わけですよね。
上野さんはそれが恋愛の効用だと言っているわけですが、僕のまさにそうだと感じます。
出会い系を使って色んな女性と出会い、そしてセックスを繰り返すことで、僕は自分の事を本当に深く知ることができるようになったと感じています。
それ以前と以後では、『全く違った人生を生きている』と感じるくらいに。
そんなことも再確認させてくれた、上野千鶴子さんの本当に素晴らしいインタビュー記事でした。
? 上野千鶴子「人はなぜ不倫をしないのか」(プレジデント・オンライン)