近年、セックスレスの夫婦が急増しているというのは、よく言われることですが、実際のところはどれくらいの夫婦がセックスレス状態に陥っているのでしょうか?
信頼できる調査結果や、専門家の意見を参照しながら、本当の姿をあぶり出してみたいと思います。
まず、一般社団法人の「日本家族計画協会(JFPA)」が実施している『男女の生活と意識に関する調査』が、「セックスレスの調査」の際に信頼できるデータとして参照されることが多いので、その結果を見てみたいと思います。
この調査は、2016年までに第8回の調査が行われ、その後、『ジェクス・ジャパン・セックスサーベイ2020』と名称を変えて、同じような内容で実質的に引き継がれました。
よって、セックスレスの夫婦がどれくらいの比率であるのか、その調査の結果を見てみたいと思います。
(引用元)ジェクス・ジャパン・セックスサーベイ2020「調査結果報告書」
このようにグラフで見てみると、セックスレス夫婦は年々すごい勢いで増えていっている実態が分かりますよね。
2020年には、51.9%ということで、ついに半数を越えてしまいました。
夫婦の半数はセックスレス(セックスレスの定義=1か月以上セックスしていない)だという結果です。
これだけでもなかなか凄い数字なわけですが、「実際には間違いなくもっと多い」と主張しているのが、著名な社会学者・宮台真司さんです。
宮台さんは、あらゆる「性愛」の問題に関して、もっとも詳しい学者とも言われている人物ですね。
その宮台さんが、セックスレスの夫婦はもっと多いだろうと主張している理由はこのようなものでした。
この統計数値を解釈する前提として、社会調査で「センシティブなクエスチョネア」[クエスチョネア=質問紙を使って行なう調査の質問項目のこと]と呼ばれる問題があります。
つまり、「微妙な質問だから正直に答えづらい」んですね。
そもそも、セックスに関する話題が答えにくいうえに、「セックスしていない」などというネガティブな回答が、さらに答えにくい。
だから、夫婦のセックスレス割合は、実際にはもっと多いはずです。
実際、いろんな人たちの話を聞く限りだと、相当多いでしょうね。44.6%なんて数字よりも、ずっと多いだろうと想像しています。
まあ、そのことを割り引いたにしても、夫婦の半分がセックスレスというのは、他国に比べて断然多い。
いくら対面での調査ではないとしても、「セックス」のような恥ずかしくて答えづらい調査の場合、数値は低く出てしまう、という事なんですね。
確かに「セックスレス」は恥ずかしいと感じる人(特に女性)は多いように思います。
セックスレスに悩んでいる女性に、僕はPCMAXで今までに何人も出会いました。
セックスレスの悩みとして、もちろん快楽や体の触れ合い欲求といったものが満たせない、というものがありますよね。
でもそれ以上に、セックスレスという状態が長く続くと、自分が女として見られていない、という事への強い焦燥感があるんだと思います。
自分自身への「根本的な自信」を失ってしまう、という精神状態に陥る女性もいるように感じます。
そのようなとてもデリケートな話でもあるわけなので、例えネットアンケートであっても、自分が「セックスレス」だと答えるということに、躊躇する人は一定数は間違いなくいるでしょう。
なので、宮台さんの見解に僕も深く同意しますね。
そのような事を考慮に入れると、実際のセックスレス夫婦は間違いなくもっと多いでしょう。
60%では収まらないかもしれませんよね。
10組の夫婦がいれば、そのうち6組程度がセックスレスだという日本の状況。
なかなか凄い状況ですよね。
でもそれが今の日本の現実の姿だということなんでしょうね。
そのようなセックスレス状態は、果たして抜け出すことは可能なのか?
また、若い世代でセックスレスが物凄い勢いで増えている、という事実。
そのあたりの宮台さんの分析も秀逸で、記事にしてみたので是非読んでみてください♪